元警察庁長官・国松孝次さんが「移民を積極的に受け入れよう!」と主張するそのワケは。

朝日新聞(2017年2月1日)元警察庁長官・国松孝次さんのインタビューが載っていました。
その主張を一言で言うなら、
『外国人を「生活者」として日本に受け入れましょう』
へぇ〜、意外な人が意外なことを言うものだな、と思った次第。
外国人を「労働力として受け入れよ」って話なら、こういう職種の元・偉い人からしばしば出ないでもないんですが、「生活者として受け入れよ」は、珍しいんじゃないでしょうか。
国松さんは、1995年3月何者かに銃撃され一時危篤状態となったが、回復し2ヶ月半後に職務復帰しました。この事件は当時世間を騒がせていたあの宗教団体の関与が疑われたものの未解決のまま時効を迎えています。
実際にテロ(?)の被害に遭われた人の言葉だけに、ある意味、説得力がありますよね。

で、その内容ですが、広い視野で現状を冷静に見据えた素晴らしい主張だと思います。
インタビューの中から、いくつかピックアップしてみます。

《そもそも安い労働力が必要だから外国人を、との発想が、『生活者』の観点に反します。受け入れて日本で働いてもらう以上、待遇は日本人と同等にすべきでしょう。優れた人材を育成していくのが競争の自然な姿です》
《アジアの国々はどこも少子化です。中国もじきに労働力不足に苦しむでしょう。まだ若い労働力があるインドネシアやフィリピンの人材は取り合いになる。こちらからお願いしても来てくれなくなりますよ。『受け入れてあげる』という発想は時代錯誤です》
《日本には外国人を歓迎する伝統がないというのは思い込みです。飛鳥時代の昔から外国人を受け入れてきました。幕末から明治にかけて、お雇い外国人を招いて西欧の文明や技術を採り入れた。一方で他のアジアを見下すような風潮は明治以降の近代化の過程で出てきた現象です。》
《長崎県大村市で飲食業をされている若い経営者の方が意見交換会でおっしゃっていました。『外国人に期待するのは単なる労働力ではありません。新しい発想で日本の地方の停滞や閉塞感を破ってほしい』と。こんなふうに前向きに考えてみましょうよ。》

いかがですか?元・警察庁長官の発言とは思えませんよね。あ、そんなふうに私が思うこと自体がすでに偏見なんでしょうけど。
でも、私だけじゃないですよ。ある政治家さんいわく『国松さんともあろう人が、どうしちゃったんですか』ですと。思わず笑ったけど、笑えないですね。


《朝日新聞 (インタビュー)外国人に国をひらく 元警察庁長官・国松孝次さん》
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12774861.html?rm=150

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