北陸新幹線の敦賀延伸。1年延期で2000億円増額?その時短効果、経済効果、デメリット。

2020年11月10日、福井新聞の記事によれば、3年前倒しになっていた敦賀延伸が1年延期になったのだとか。
ま、それはどうでもいいんだけど、昨年に引き続きまたまた工事費増額なんだそう。
以下、福井新聞の記事を引用・要約。

 北陸新幹線金沢―敦賀間の2023年春開業、建設工事の遅れから、1年以上延期? 建設費の増額は避けられず、さらに2千億円以上必要になるとみられる。
関係者によると、石川県境の加賀トンネル(延長5.5キロ)、上下乗り換えの敦賀駅など福井県内3カ所で工事が遅れているほか、入札の不調、不落が相次いだため、開業が1~2年遅れると判断したようだ。建設費は新型コロナウイルス感染防止対策、ひび割れが発生している加賀トンネル内の追加対策工事などから、「微修正では済まない金額」に膨らむ見通し。
建設費は資材や人件費の高騰などを受け、2019年3月に工事実施計画を変更し2263億円増額した。
金沢―敦賀間の建設工事を巡っては、国交省が9月24日の与党PT会合で、一部工期が逼迫していると報告。11月3日に加賀トンネルを視察した際には、追加対策工事の進捗が2割程度であることが明らかになるなど、開業遅れが懸念されていた。

福井新聞

直線距離にして、たった120km程度の区間ですよ。
昨年、2263億円増額したばかりなのに、さらに2000億円必要なんですと。
今後大幅な人口減少が予想される地域に、なぜそこまで投資しなければならないのでしょうか。
現状でも、北陸本線・特急しらさぎで1時間20分で結ばれています。新幹線開業すれば、しらさぎの減便は必至。
新幹線の駅が作られない北陸本線の駅周辺の衰退を助長するのは明らか。
だから地域にとってもデメリットの方が大きい可能性があります。

余談になりますが、このことから推測されるのは、中央リニアだって2027年の開業なんて到底無理。
別に静岡県知事が“妨害”しなくても、数年遅れるのは間違いないでしょう。
費用も最終的に1兆円以上増額になるんじゃないでしょうか。
新コロ解消されたとしても、鉄道需要は以前より減少すると言われているし。
政治が、土木建設工事主導で動いている限り、こういう愚策が続くのだと思います。

金沢・敦賀間のルート。
沿線に有名温泉地などもあるとはいうものの、この路線にどれだけの需要があると言うんでしょうか。
敦賀が新幹線で東京と直結と言っても、現状米原まで東海道新幹線で来れて、その米原から在来線で30分だから全然時短にならないし。
建設費用だけでなく、赤字の場合は毎年膨大な維持費支出を伴います。
とんでもない“負の遺産”になりかねないわけです。

結局、工事がしたいだけなんじゃないでしょうか。
地方が、土木・建設でしか活性化しない国の構造、そういう考えから脱却できない政府に根本的問題があるんじゃないでしょうかね。