明治製菓『カール』の生産縮小、なぜ関西だけ?そして思い出す中山千夏、革新自由連合…。

明治製菓のスナック菓子「カール」が生産縮小のニュースは、スナック菓子ファンのみならず大きな話題となりました。Twitterでも、販売終了を嘆く声が多く聞かれました。今後は「チーズあじ」「うすあじ」の2種類に絞り、販売は西日本だけとなります。

カールは1968年発売の、実質的に日本初のスナック菓子と言っていいでしょう。
以前はCMも頻繁に打たれ、キャラクターの「カールおじさん」「それにつけても、おやつはカール」というジングルは、30才以上の人なら知らない人はいないのではないでしょうか。

三橋美智也氏は、なんとこのCM曲をシングル盤として発売してるんですね。CMソングとして出したのではないので、例のジングル部分はありません。
けっこう名曲だと思います。歌も素晴らしいし、アレンジも良い。
誰かと思ったら清水信之ですか。奇才・加藤和彦の片腕として信頼の厚かった人だけにサスガです。

話を戻しましょう。
カールは、ピークの90年代には190億円規模の売上高があったそうです。しかし昨今は、スナック菓子の多様化などもあり、直近では3分の1以下にまで縮小、赤字が続いていたといいます。
今後、西日本だけの販売となるのは、西日本ではまだ人気があるから、という理由ではないそうです。
これまで、全国5カ所の工場で生産されていたのが、9月以降は松山工場(四国・愛媛)のみ。これに伴い、流通の関係で関西地域以西23府県での販売となるのです。
通常なら歴史に幕を下ろすところだが、企業を代表するような伝統的な製品だけに、生産縮小に留めたとのこと。
しかし、「カレーあじ」など7種類は生産終了となるのは残念ですね。
年間60億の売上があっても赤字って、スナック菓子ビジネスもなかなかタイヘンだなあ、と思うわけですが、ご存知のように、カールは発泡スチロールのように発泡させているので、とても軽量なんですよね。
どうも、そこがアダになったようです。軽量ってことは嵩張るので、流行コストが高くついてしまうのです。

個人的に、カールで思い出すのは中山千夏さんのことです。
明治製菓としては、社運を掛けた鳴り物入りの新製品だったと思います。
そこで、CMキャラクターには、子役を経てひょっこりひょうたん島の声優としても大人気だった、中山千夏を起用します。
CMソングも、歌手でもあった中山千夏が歌っています。今とは違うメロディですが、最後のジングルは一緒ですね。

中山千夏さんと言っても、若い人は知らないでしょうね。
1970年前後は、代表的なテレビタレントとして、女優、声優、歌手、司会者として大活躍、その後は作家、市民運動家としても知られる存在です。2017年現在68才。近年はテレビで見ることもなく、ほとんど忘れられた存在ですが、社会運動は地道に継続されているようです。

連想ゲームのようですが、個人的に中山千夏で思い出すのは「革新自由連合(革自連)」という政党です。
革新系(←今でいうリベラル、でしょうか)文化人が結集、戦後から長く続く自民党政治にノーを突きつける大きな存在となるはずでした。
発案者は、作家の五木寛之氏(と言われています)。他に雑誌「話の特集」編集長の矢崎泰久、評論家・俵萌子、青島幸男、田原総一朗、歌手・加藤登紀子、お笑い芸人として人気絶頂だった横山ノックなど、当時としては錚々たる顔ぶれでした。
それ以外の賛同者、支援者は当時のチラシをご覧ください。

愛川欽也、赤塚不二夫、永六輔、大島渚、大橋巨泉、手塚治虫、中村とうよう、野坂昭如、前田武彦等々…。大半はすでに亡くなってしまった方々ですね。
テレビ、広告ギョーカイのお友だち繋がりで話が行き、「お〜、それはイイねえ!」ってな軽いノリで賛同した人もいたのかも知れません。

そんな政党の代表に祭り上げられたのが、たしかまだ20歳代だった中山千夏だったのです。
77年の参院選で横山ノックが、80年の参院選で中山千夏が当選するものの、期待したほどの大きな支持は集まりませんでした。ほどなく名簿順位で揉めるなど仲間割れで空中分解。まあ、当然の成り行きだったのかな、と今にしてみれば思うわけではあります。
今でも、たまに思うんですよね、「革新自由連合」ってなんだったのかな、と。
スナック菓子「カール」が実質的に終焉を迎えるにあたり、そういえばこんな政党があったっけな〜、と、またまた思い出したのでした。

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