住人が案内する西武ぶしニュータウン(土地の歴史、開発経緯、環境、住人は?)

土地の歴史、地域の特長

埼玉県入間市新光および野田にある新興住宅地、西武ぶしニュータウン。
名前の通り、西武グループが沿線開発の一環として整備し売りだした住宅地…もちろんそういう意味もあったとは思うのですが、元々この辺りは西武町という地名でもありました。現在は地名としては残ってなく、入間市立の「西武小学校」という学校名にその名残を見る程度です。

「新光」という地名は比較的新しいと思われますが、「野田」の方は古く、江戸期より存在した野田村、さらには南北朝時代までそのルーツを遡ることができるようです。地名としては当地を武蔵七党(平安時代後期から鎌倉時代・室町時代にかけて、武蔵国を中心として近隣諸国にまで勢力を伸ばしていた同族的武士団の総称)の野田氏が開拓したことに由来しています。

当時の様子を伺わせる『太平記絵巻』第2巻(山中をさまよう後醍醐天皇) 埼玉県立歴史と民俗の博物館蔵

江戸時代には、今では幻となってしまった「野田双子織」など縞織物生産で栄え、宿場町の川越を通じて当時の江戸に流通をしていました。さらに、明治以降は繊維産業地帯として成長、特に昭和初期に創業された「平仙レース」は日本の代表的なレース工場として、海外からも高い評価を得ていました。
その名残は、ニュータウンと仏子駅の間くらいの入間川沿いにある市の施設「アミーゴ」に見ることができます。

ようするにこの地域は、かなり昔から人が住んで栄えていたということ。つまり人が暮らすに適した地形、暮らしやすい環境だったということです。

地形的には入間川に向かってなだらかに傾斜する河岸段丘を形成しています。
ニュータウン全体はほぼ平地ですが、仏子駅の方から見ると高台となります。

ニュータウンとして開発される直前はどんなだったのでしょうか。
今もニュータウン内に元々住まわれていた方の住宅がいくつか残っています。農業(特に茶業)、養豚業や酪農などが行われていたようです。ちなみに、牧場の痕跡は今も見ることができます。

ここでちょっとしたトリビアをひとつ。
西武ぶしニュータウンは住所でいうと、大半は入間市新光です。西側に隣接する飯能市にも新光という住所があります。つまり、新光が入間市と飯能市にまたがっているのです。
実は入間市新光もかつて飯能市に帰属していた時代がありました。
どういう経緯で入間市に編入されたのかは不明ですが、この地域の住所表示は明治から昭和に掛けて目まぐるしく変遷を遂げています。

ニュータウンとしての開発経緯

西武不動産によって開発され1983年に戸建て住宅として売りだされました。
当時は、バブル真っ盛り。土地は今後も上がり続けると信じられていた時代です。
またたく間に売り切れるどの大人気でした。販売価格も庭付き4LDKで7千万円前後と今では考えられない高値でした。

一度に全区画が販売されたわけではなく、北の方は区画整備だけ行われ10年位更地となっていました。北の方に個性的な建物が多い地域がありますが、それは更地の宅地として販売され購入者が好きな家を建てたからです。

西武池袋線仏子駅からニュータウン行きのバスが運行されていますが、これはもちろんニュータウン開発に合わせて設けられた路線です。バスの本数は1時間あたり2〜3本。ニュータウン内の戸数増加に伴い運行本数も増えるというディベロッパーの説明でしたが、今もほとんど変わっていません。

ニュータウンの中心に「新光中央公園」という草野球もできそうなグランドのある公園が設えてあります。その隣には当初コンビニのような店舗がありましたが、今はありません。

住環境、住人はどんな人たち?

1983年の最初の売り出し時に販売された地域は高齢化し、老人世帯が多くなっています。
入間市としても、西武地区は少子高齢化が進んでいる地域として認識しているようです。
これは新興住宅地の宿命かも知れません。元々長くその地域に住んでいた人と違い、その土地に思い入れが少ないためか、新しい世代が出て行ってしまうことも多いのだと思われます。住宅自体が二世帯住宅として設計されていないものが大半であることも理由かも知れません。
親から引き継いだ子供の世帯、売却され中古住宅として購入した比較的若い世帯ももちろんありますが、最初の分譲地域では30%未満と思われます。あくまで漠然とした印象ですが。

一方、北の方の後から販売された地域は若い世帯が多く、小さな子どもの姿も目立ちます。

最初の分譲では、バブル期とはいえ、5〜7千万円の物件ですから、比較的高収入の人しか買えなかったと思われます。
都心に通勤する人も少なくなく、大企業の役職や医師なのどの士業の人も当初は多かったように思います。

現在は高齢化が進み、年金生活者も多いと思われます。比較的モラルの高い人が多いためか、宅地内で荒れているような箇所は見受けられません。大方は庭の手入れも行き届き、タウン全体としては秩序も保たれていると思います。

ニュータウン内を縦断するバス通りは市道ですが、並木や植栽はよく手入れされており、美しい住宅地の景観が維持されています。

自治会も機能していて、毎夏に新光中央公園にて夏祭り・盆踊りが盛大に開催されます。

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