2017都議選、得票を分析すると、大敗したのは自民党より民進党という結果に。

 

議席数では都民ファースト大躍進、自民党大敗という結果になったが…

2017の都議会議員選挙は、小池百合子率いる地域政党『都民ファーストの会』の大躍進を印象づけました。
一方、都議会最大与党だった自民党は、議席数を前回の選挙から5分2以下に減らし、共産党は微増、民進党は選挙前から三割減。
このように議席数で見ると、自民の大敗北を強く印象付けますが、ほんとうにそうでしょうか。
もう見飽きたかも知れませんがもう一度選挙結果をおさらいしてみましょう。

4年前の前回の選挙と比較すると、自民党以上に民進党の議席減が目立ちます。
選挙前7議席だったのが5議席取れたのだから健闘した、なんて見解も見受けられますがとんでもない。前回との比較では3分の1です。
これについては後述します。
それでは、党別に得票を分析し今回の都議選を振り返ってみたいと思います。

なんだかんだ言っても公明党がキャスティングボードを握っていたという事実

都民ファースト旋風吹き荒れた選挙戦。ともすれば見落としがちですが、前回自民党と組んだ公明党が、今回は都民ファーストと組んだことが、やはり結果を大きく左右しました。

公明党の選挙協力は、大勢にどのくらい影響しているのでしょうか。
公明党は1〜2人区で候補を立てていません(支持者の多い荒川区を除く)。強固な組織票を持っている反面、浮動票がそれほど期待できないため、1〜2人区では勝てる見込みがないからです。
よって、そのような選挙区にある組織票は他党の協力に回すのが得策です。

公明党が候補を立てていない1〜2人区の総得票数は約160万票。公明党が候補を立てている選挙区での得票数平均は約17%なので、公明党が選挙協力に使える票は27万票と算出しました。
これを前回は自民、今回は都民ファーストに贈呈したということです。

もし、前回同様、自民・公明で組んでいたらどうなったでしょうか。

なんと、中央・港・台東・渋谷・三鷹・府中・小金井・西東京など11の選挙区で、都民ファーストではなく自民党候補が勝利していた可能性が高くなりました。

つまり、都民ファーストは公明党の協力がなければ、11〜13議席少なかった可能性があります。

得票数で見る限り、自民党はそれほどに大敗していない

前途のように、議席数を大幅に減らした自民党ですが、ほんとうにそれほどの支持を失っていたのでしょうか。
前回の得票のうち、公明党から回ってきた27万票を差し引くと、136.3万票。今回は126万票ですから、自民党の得票は7.5%しか減っていないことがわかります。

この数値は、大手新聞社の世論調査での内閣支持率低下率と近い値です。
7.5%は大きいと言えば大きいですが、自民大敗!とお大騒ぎするほどではないように思います。

見事!という他ない公明党の選挙戦術は、安定した組織票に支えられている

キャスティングボードを握っているのは公明党、と先に書きましたが、そんな公明党自身の得票を分析してみましょう。

今回含め、4回の都議選はいずれも、同程度の議席数を獲得しています。民主党が大ブームを巻きおこうが都民ファーストが大ブームを巻き起こそうが、どこ吹く風、全然影響しません。
しかも、効率よく得票を議席獲得につなげている点も、見事というよりありません。
今回の結果を見ても、自民党と公明党はどっちも23議席獲得していますが、得票数では倍近い開きがあります。しかも、候補者全員当選させています。なんと無駄のない選挙でしょうか。

さらに、自党で生かせない選挙区の票を、選挙協力で他党にまわして、恩を売って(いるのかどうかわわかりませんが)いるのですから、超省エネ選挙と言えるでしょう。

民進党は、このままでは次回はさらに議席を減らしかねない壊滅的大敗

かつては政権与党だった民主党が今の民進党。
今回、大敗したのは、実は自民党ではなく民進党だったというのが、数字から考察した結論です。
選挙結果を総括する中でも、現有7議席だったのが5議席と、2議席減に留まったのは、よく踏ん張ったのではないか、なんて言う人が少なくないですが、とんでもない。
選挙前の議席数との比較は、まったく意味がありません。選挙前に多くの離脱者を出していたのですから、すでにその時点で「民主党の大敗」と言って差し支えないと思います。

前回の選挙は、民主党政権崩壊直後という逆風の中にあっても15議席獲得していました。
今回は3分の1に激減しています。
前々回は54議席獲得していますが、これは公明党の協力なしに得たという点で、今回の都民ファースト大躍進をはるかに凌ぐ快挙でした。

得票数でみても、前々回の6分の1,前回の約半分と、自民党をはるかに上回る激減です。
これだけ大敗しておきながら、党執行部から反省の弁さえ聞こえてこないのは、もはや救いようのない負けっぷりかと思います。

蛇足ですが、私自身は消極的ながら民進党を支持していることをお断わりしておきます。

勝者「都民ファーストの会」の得票を考察してみる

都民ファーストは約190万票を集めました。
それはどこから来た票なのでしょうか。

まず、投票率に注目します。前回より率にして8%、票数にして100万票以上増えています。
その多くが都民ファーストに向かったものと推察されます。
前回民進党に投票した人の半分近くは、共産党か都民ファーストに投票したものと思われます。
自民党が減らした10万票はほぼ都民ファーストに向かったでしょう。
さらに、公明党から27万票のプレゼントもありました。

もしも、東京全域で比例代表選挙だったらどんな結果になったか

もし仮に、東京都全域が一つの選挙区で比例代表選挙だったどんな結果になったでしょうか。
あまり意味のないシミュレーションかも知れませんが、獲得議席数に政党支持率が反映されやすいだろうと思い、計算してみました。

荒川区以外の1〜2人区で都民ファーストが得た得票の平均17%は、公明党の組織票と思われるので、その分を公明党に移動します。
共産党は推薦を含めればほぼ全区に候補を立てているのでそのままで良いでしょう。
民進党は、候補を立てていない選挙区も少なくないものの支持層が曖昧で調整しにくいため、誤差が大きいことをお断わりしておきます。

もちろん、投票は政党にではなく人物本位で選んでる人もいるだろうし、自分の区に支持したい人がいなかった、死票になることを嫌って不本意な人に投票した等の事情もあるでしょう。ですので、あくまで目安に過ぎないことをお断わりしておきます。
もし、ほんとうに比例代表選挙が行われていたらこうなる、というわけではありませんので、その辺りは悪しからず、よろしくお願いします。

ご覧のように、自民党は+5、都民ファーストは−11、公明・共産は微減、民進は50%以上増加の可能性もありあますが、前々回54議席獲った政党としては寂しい限り…という結果になりました。
都民ファーストの大躍進は選挙制度に助けられたという側面もあることが分かるかと思います。
逆に自民の大幅議席減は選挙制度に負けたという側面もあるということです。

 

というわけで、私が何を言いたいのかと言えば、
まず、残念ながら大喜びするほどに自民党は弱体化したわけではない、ということ。
そして、民進党の負けっぷりは、このままでは社民党同様の道を進みかねないくらいに壊滅的である、ということ。
私も民進党を支持(室井佑月さんじゃないけど、鼻つまんで苦渋の選択です)しているといいつつも、その存在価値に対する疑問が日々膨らむ一方です。

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