ティナ・ウェイマス(ベース Talking Heads, TomTom Club)の経歴、年齢、使用楽器など。

ティナは、今なお多くの若手に影響を与えている伝説的ニューウェイヴバンド、トーキングヘッズのベーシスト。ヘッズは解散してしまいましたが、ヘッズのドラマーで夫でもあるクリス・フランツとバンド内プロジェクト的に結成したトム・トム・クラブは現在に至るまで活動継続中で、度々来日もしています。
パンク、ニューウェイブ系のバンドで、ベースだけ女性という編成は、定番となっていますが、一般にも広く知られたという意味では、トーキングヘッズが元祖と言って差し支えないでしょう。

ティナの出生からトーキングヘッズデビュー、現在に至るまで

ティナ・ウェイマスは、アメリカ・カルフォルニア生まれ。2020年12月1日現在、70歳ということになります。
7人兄弟で、その兄弟にはサルバドール・ダリ美術館の設計した建築家ヤン・ウェイマスもいます。
高校ではチア・リーダーだったというのがちょっと意外な経歴でしょうか
その後、名門美術大学のロードアイランド・スクール・オブ・デザインに進学、そこでフランツやデヴィッド・バーンと出会いました。
1974年、3人はニューヨークに出てロフトで共同生活。パンク〜ニューウェーブのメッカ、CBGBが近くにあったことで3人は多大な刺激を受けたようです。ここで初めてバンドを結成することになりましたが、この時ティナはまだベースを弾いたことがなく、フォークソングをやっていたのでギターが弾けただけでした。
クリスの勧めでベーシストとしてバンドに加わることになり、独学で猛練習。それはトーキング・ヘッズ、デビューの5ヶ月前のことでした。
CBGBを拠点に活動、バンドはすぐに話題となり、1977年サイアー・レコードよりデビュー。1998年以降活動は途絶えていましたが1991年に正式に解散を表明しています。
夫、クリス・フランツとの間に2人の息子がいて、現在はコネチカット州に暮らしているとのことです。

夫クリス・フランツとトム・トム・クラブでの活動

ヘッズ活動休止中に、サイドプロジェクトとして始めたバンドですが、その後ヘッズが正式に解散して以降は、トム・トム・クラブとして活動を継続しています。

▲この映像は比較的最近(といっても、2010年ですが)のものです。ドラムのクリスはそれなりにオジサン化してますが、それに比べるとティナはチャーミングですね。ってゆうか、ヘッズ初期の頃は、オトコマサリというか、女と見られたくないような服装でツッパっていたように思います。
それにしても、1950年生まれですからこのとき60才!セクシーなプロポーションも健在、素晴らしい!で、トム・トム・クラブは、驚いたことにヘッズのレパートリーも演奏してるんですね。店子が母屋を乗っ取った!という感じでしょうか? まあ、ヘッズの再結成はまずないでしょうから、トムトムがヘッズを引き継いだってことでもいいですけど。
でも、この曲、トーキング・ヘッズの代表曲である“サイコ・キラー”のヴォーカルはやっぱりデヴィッド・バーンじゃないとな〜って感じですね。デヴィッドの引き攣ったような緊張感ありすぎな歌い方とは対照的に、ティナは気怠く歌います。会場のお客さんは大盛り上がりですけどね。

しかし、ファンとしては「トム・トム・クラブってこういうバンドじゃなかっただろ!」って言いたい気もします。

▲こちらはトム・トム・クラブの代表曲、邦題“おしゃべり魔女”。これが本来の、このバンドですね。当時けっこうヒットしました。今聴いても独特のサウンドは魅力的と思います。

▲1992年、テレビ出演時のトム・トム・クラブ。こんなブロンディのようなセクシーなヘアスタイルだった時代もありました。

真骨頂はやっぱり、トーキング・ヘッズ時代

ヘッズの代表曲に於いても、ティナのベースが欠くことのできない重要な役割を担っていることがよくわかります。

▲トーキングヘッズ時代の映像も入れておきましょう。1980年のものです。

▲音楽映画史に燦然と輝く名作、ストップ・メイキング・センスから。
この時代のトーキングヘッズはサポートミュージシャンを加え大編成です。ベースも16ビートっぽいプレイが聴かれます。

使用ベースについて、見ていきたいと思います。ティナの場合、トレードマーク的な楽器は特に無く…いや、しいて言うなら他に使っている人が少ないフェンダー・ムスタングベース、またはヘフナーでしょうか。特にポール・マッカートニーでもおなじみのヴァイオリンベース以外のヘフナーは珍しいです。他にも色々なベースを使用していますが、ちょっと変わったモデルが多いかと思います。写真左上から横に見ていきましょう。
1・2・3・4
5・6・7・8
9・10・11・12

  1. 1番目はフェンダー社のプレシジョン。あらゆるジャンルで多くのミュージシャンに使われている楽器です。ティナは初めて買ったベースがグレーのプレシジョンだと語っているので、おそらくこれがそのベースと思われます。
  2. 次もフェンダー社のジャズベース。コピーモデルも含め、おそらく世界で一番使われてるベースかと思います。ティナはお気に入り一本にこのベースをあげています。
  3. 次はヴァイオリン型ベースでお馴染みヘフナー社のClub Bass。この楽器を使ってる人はわりと珍しいです。
  4. 上段一番右はフェンダー社のムスタングベース。ショートスケールなので手の小さい人でも楽に弾けます。なので女性ベーシストに愛用者が多いですね。
  5. 中段左はこれもヘフナーのClub Bass。強いて言うならヘフナーを多く愛用しているようです。
  6. 次のヴァイオリン型もヘフナーですが、一般的に知られているヴァイオリンベースよりサイズが大きめでしょうか。余談ですが胸が透けてるように見えるのは気のせい?
  7. 次はギブソンのレスポール・トライアンフ・ベース。これも使ってる人は珍しいと思います。
  8. 中断一番右はこれもムスタングベースですがピックアップはひとつのタイプ。
  9. 下段左は、新し目のベースで、おそらくVeillette-Citron Standardという楽器と思われます。このベースはライブでもよく使われてるようです。
  10. 次はこれもムスタングですがピックアップの位置が違いますね。
  11. 次の四角いボディはスタインバーガーベース。ペグがブリッジ側にあるのが特徴です。持ち運びが楽だという理由で愛用している人は少なくないです。
  12. 最後はすみません、3番目と同じですね。

▲これは驚き、レッドブルの主催で2014年東京で、レクチャーが行われていたんですね。2時間半たっぷり、日本語字幕も出ます。トム・トム・クラブだけでなくトーキング・ヘッズの裏話など、興味津々です。
余談ですが、この映像を見ると、ティナもそれなりに歳相応に見えますね。

▲楽器販売サイトの宣伝動画ですが、ティナのベースプレイを興味深く解説しています。
ティナのプレイは、モータウン特にジェームス・ジェイマーソンに強く影響を受けてる、ってな話をしているようです。

トム・トム・クラブ オフィシャルサイト
http://tomtomclub.com/